傑作
ドラッグに依存する「生徒ジュン」と先生が出会い、悩みます。 手紙を交換しながら相手とどういう距離をとればいいのか悩みます。 下手にかかわると相手の人生を狂わせてしまうからです。生徒はこれまでまともに信頼できる人にあったことがなく、 傷つき続けてきたのでしょう。だから依存してしまう。 そこで変化しようとしてできない生徒の痛みが 心に響いて涙が出てきました。 先生はその生徒の半生を知り、同情の念にかられつつ、 でも自分に依存させないようにドラッグをやめさせるには どうすればいいか自省しつつ、解決の手段を模索します。 依存をしない、自立のきっかけが与えられなかった 生徒をなんとかしたいとあがき続ける水谷修先生の 姿に圧倒されました。 何度もまともになろうとがんばり続ける 生徒ジュンさんにもエールを送りたく思いました。 最近出版された本はすでに読まれた方にもお勧めです。 (私もそうです)
麻薬のこわさ
ジュンさんとのやり取りで、なんとかしなくてはと思う先生だが ジュンは更正が難しい。やりたくない麻薬につい手を出してしまう。 麻薬の恐ろしさ、そして水谷さんとのやり取りで 変わろうとするジュンさんが分かります。 おすすめです
本の中から生きているドラマが伝わってくる
一人の人間が、苦しみ、希望を持ち、また悩み、といった自分たちにもある気持ちの揺れが非常に生々しく伝わってきました。 生きていくということは悩みや苦しみ、葛藤といったことを語らずして、表現できないものである。ただ、このようなことばかりが続くと逃げ場を失った心が自分を傷つけたり、現実を見失わせたりといったかたちで、自分が望まない方向へ自分自身をと追いやってしまうことがある。 反社会的な行動をしたり、一人で自分を責め続けたり、何かに依存してしまったりといったことは、こういった苦しみに対して自分の心が悲鳴を上げているということに他ならないはずである。それは、自分でもわかっている。でも、はけ口がない。味方がいない。そんなときには救いを求めるべく何かにのめりこんでしまうことがある。 自分はのめりこむことで救われたことがあるし、また、何かを失ったこともある。結局、何にのめりこむかが問題なだけでのめりこむこと自体はそれほど悪いことではないと思う。しかし、のめりこむときに失っている冷静さが時として後戻りできない状況に自分を追い込むこともある。これは、のめりこむことがもつとても怖い性質であるといえる。そこで失敗をし、ずっと引きずり続けてしまうこともある。 水谷先生は著作の中から、「そこで出てしまった結果はもう過去のことであって、今を生きている以上はそれを受け止めて未来をつくっていくしかない」ということを、なんともいえない暖かさと落ち着きをもって語りかけてくれるので、苦しみのサイクルから逃れられない気持ちに一息つく余裕を与えてくれる。 この本の中で繰り広げられる二人の人間が真剣に生き抜くことについて取り組むドラマは、自分を含めて世の中で苦しんでいる人が自分に置き換えながら何とか、自分なりの生き方を見つけていこうという気持ちを与えてくれるように思える。 以上のことから、薬物依存というと自分には関係ない、「だから読んでもしょうがない」と、受け止めるべきではない本であるといえる。そして、この本から伝わってくる、誰もが陥るかもしれない心の葛藤を一日一日、人が考え苦しみ、時には喜びを感じ、生き抜いた軌跡が自分が本当に苦しくなったときや、苦しんでいる人が身近にいるときに少しでも自分の気持ちの逃げ場を作ったり、相手の気持ちを察するのに役に立つことになると思う。 少し大げさだと思われる方もいると思うが、水谷先生の気持ちや話を聞いてくれる姿勢を考えると、こういう表現しかできないという事実があるということをきっとわかってもらえると思う。 是非、一読して感じてみてください。
日本評論社
夜回り先生の卒業証書―冬来たりなば春遠からじ さらば、哀しみの青春―伝えたい。闇に沈む子どもたちの哀しみを… ドラッグ世代―薬物汚染と闘う夜回り先生 さらば、哀しみのドラッグ いいじゃない いいんだよ―大人になりたくない君へ
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